コラム

Broom Service(ブルームサービス)を遊んで考えたこと

投稿日:2016年8月30日 更新日:

このゲームの要素のうち、自分がゲームを作る際に参考にしたいと思った部分を書き出してみました。

情報の公開度のバランス

ボードに現れる相手の行動のすべて

相手の手を読むゲームとして、手を読むための手段が「推理」なのか「心理」なのかに大別されると思います。

そうした時にブルームサービスは「推理」においてとてもうまくバランス調整されているなと感じます。

ボードを使ったことによる情報の公開度がとてもいいバランスなのです。つまり相手が薬を届けたい塔はこれで、そのためにはこのカードを使わなければならないという情報が他プレイヤーにも自明なんです。カード版のブルームサービスをプレイしたことありませんが、カードだけではこの公開度にはならないんじゃないかと思います。(ボードを使わないでどのような面白さを実現しているのか興味があるので、カード版も是非プレイしてみたいですが)

この部分が「推理」による読み合いの楽しさを実現している大きな点だと思います。

みんな平等な選択肢

もう1点の要素として、全プレイヤーがまったく同じカードセットを使用するという点が情報の公開度を高めてますね。

これは「推理」にしろ、「心理」にしろ読み合いを楽しむゲームというのは得てして、プレイヤーごとの情報を既知として進行することが多く、そのための手法として、全プレイヤーが同じ条件というのはよく見ます。

そしてその既知の10枚のカードのバランスの良さがこのゲーム特有の良さかなと思います。

10枚のカードながら効果は大別すると4種類なのです。

この種類が例えば8種類だとこれほど高い情報の公開度にはならず、結果相手の手を読む情報が少なすぎて、ゲームプレイ後には勝ったプレイヤーが「なんで勝ったかわからない」という達成感の減退につながるのかなと。(負けた人もなんで負けたかわからない)

逆に種類が少なすぎると、手を読むときの情報が自明すぎて、読み合いという楽しさは減ってしまうでしょう。

結果何度も調整を重ねてこのカード枚数と種類に落ち着いたんだろうなと思わせてくれるバランスです。

予想は当たるのにうまく事が進まない苛立ち

これだけ情報の公開度が高いため、自身の予想が当たることは多々あります。しかし、それは読めて当たり前という感覚にならない程度のカード枚数と種類によってこれが快感につながります。この辺りは本当にうまいですね。

そしてそれだけ情報の公開度を高めておきながら、その予想が当たったからといって確実に勝てるわけじゃなく、それを踏まえての読み合いになっているところがこのゲームの奥深さにつながっていると思います。

ボードを使った情報の公開という点はすごく参考になりますね。自分で作っていく際このバランスを参考にさせていただこうと思います。

 

 

勝利点を得るまでの行程

このゲームで勝利点を得るためには、1.薬を作って、2.移動して、3.届けるという三行程で構成されています。

私がゲームを考える際いつも迷うのが勝利点を得るまでの行程で、これが一つで終わってしまうことが多々あります。「薬を塔に届ければ勝利点GET」と浮かんだとしてもこれを一つのアクションとして完結させてしまうのです。

アクションが少ないということはプレイヤーごとの戦略の幅を狭めてしまいます。(逆に多すぎても、戦略の幅が広すぎてそれはそれで問題なんですが)

「薬を塔に届ければ勝利点GET」と決まったところからどのように分解されていったのかがとてもわかりやすいです。(実際どのように作られたかはわかりませんが)

 

まず「薬を作る」というアクションで1つとしてはどうか。「塔に届ける」も1つ。これで二つに分かれます。

さらにいろんなところに塔があるなら「その塔に移動する」ということ自体もアクションの1つとしてカウントできます。アクションを3つにしたのはバランスでしょう。

例えばここからさらに、「薬を作る」を特定の材料を集めることで特定の薬を作れるようにすると「材料を集める」というアクションも追加されます。

 

実際に作る時にこのように分解していけばプレイヤーの行動としても自然で、かつ行程を増やすことができるという参考になりそうです。

 

 

あとがき

このゲームで一気にこの作家のファンになりましたね。

最近出たのでは「オー・マイ・グーッズ! 日本語版」がありますね。

最初名前だけ見たときどうなのこのセンス(笑)って思ってたのですが、まさかのAlexander Pfister作だったので、遊んでみようと思います。安いですしね。

 

あとは2016年のエキスパート大賞をとった「スカイアイランド」ですね。

評判もいいですし、近いうちに買って遊んでみようと思います。

 

yasuyuki yamagishi
ゲームシステム担当。 ヤマズゲームスの兄の方。

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