コラム

【ゲーム制作メモ】プレイヤーがその行動をする理由

投稿日:2017年4月29日 更新日:

蝉の声が完成した時点で着想としてあった見返り小人についてずっとまとまらなかったのだが、ようやくまとまる兆しが見えてきた。
そしてその中で気づいたことをボードゲーム制作メモとして残しておく。

まず見返り小人のコンセプトは「相手の欲しいものを考えた人ほど勝てるゲーム」だ。
あくまでプレゼントするという贈与の気持ちをゲーム化できたら面白いかもしれないという所から始まっている。
このコンセプトを元に贈与という行為をシステム的に考えてみた。

このコンセプトからシステムにすべき要素を抜き出すと、
①相手が欲しいものを②あげる
ということになる。

①相手が欲しいもの

既存のゲームで考えると、相手が欲しいものとは、例えば麻雀では上がるための牌であり、カタンなら都市を立てるための材料であり、フェレータなら戦いに勝つための戦力カード(名前は忘れたがあの数字が書いてあるやつ)である。
つまり、相手(以下A)が欲しいものとは相手にとって利のある何かである。
そしてこれがボードゲームという競争世界において贈与という行為と相いれない点である。
Aにとって利のあるモノをあげる理由は、自分(以下Z)にとっても利があるためでなければゲーム上行われない。
しかし、AからするとZにとって利がある行為を許すとは思えない。
つまり、そのモノ単品でみればAにとって欲しかったはずのモノが、あげることによってZが利するという条件がつくことで、Aにとっては入らないモノになるのである。
なぜなら競争世界における利とはプレイヤー間の相対的価値でしか判断されないためである。
カルカソンヌ2人対戦で、1人が完成させる道に乗っかってお互いが6点獲得しても、ゲーム上それは相対的に0点なのである。

しかし、3人以上の対戦なら話は別だ。
A,B,C3人のうち、A,Bが協力し、Cに対して相対的に優位に立つというならばA,Bが二人だけで道を完成させることにゲーム上の意味が出る。

そして、Cに対して優位に立つために、A,Bが協力するというなら、協力した際のお互いの利に差があると協力が成り立たない。
そうでないと利が少ない方(相対的に劣っている方)はその行為を行わないからである。

止むを得ず発生するかもしれないが劣勢側はゲームとして楽しくないため率先して行いたい行為ではない。

今回あくまで贈与という行為のゲーム化であるため、もらう側も送る側も率先してその行為を行いたいというモチベーションが必要なのである。
このように3人プレイ以上で、2人のプレイヤーが協力し、1人を出し抜くという展開自体ボードゲームにはよくある展開だが、今回のゲームではゲームの開始から終了まであるプレイヤーとは協力関係を気づいて高みを目指すという点はなかなかなかった視点だった。

そのようなシステムに気づかせてくれた「Between Two Cities」には圧倒的感謝である。

このプレイヤーの利(メリット)という点は今後もゲーム制作においてまとまらない時のチェック項目として覚えて置く。

収束性が悪い時などはきっとプレイヤーが収束するための行動を取る利が薄いのだと考える。

 

 

本日の気づき
「プレイヤーに特定の行動をさせたいなら、プレイヤーがその行動をする利(メリット)を考えろ」

yasuyuki yamagishi
ゲームシステム担当。 ヤマズゲームスの兄の方。

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