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跡目の盃トーナメント(復讐編)〜兄 VS 蛙〜

投稿日:2017年6月5日 更新日:

Twitter-prof-kawazu

なんと見事な復讐劇

大勝。快勝。圧倒的な勝利。今回の復讐劇は見事と言わざるを得ない。

あ、俺(蛙)が勝ちました。やっぱり心理戦は俺の方が兄貴。強し。

今回の勝因は緻密な計画による、正体隠匿の完全な成功。ゲーム上、「疑い」までは結構早い段階で生まれる。それを「疑い」のまま最後の「同時出し」まで持っていければ高確率で勝利を掴める。

当然だが、自分の組長を隠し通して、相手の組長が分かっている状態にしたいわけだ。このゲームの特徴として、そのための施策を同時に行うことができる手番(チャンス)がたびたび訪れる。そのチャンスを掴めるかがかなりキモになる。なぜなら、相手を騙せるのはたったの5ターンしかないからだ。

1ターンも無駄にはできない。それが、このゲームのおもしろさであり重さである。

対戦の写真や動画がないので、ここでは自分がした心理攻撃を紹介する。

初手で訪れたチャンス

兄は初手でミスを犯した。いや、兄的にはミスではなかった。だから行なったんだろう。

俺の組長は「蛇沼と嶺」だった。そして兄は+6と-5のチップを使って、初手から「自分の組長以外の組長2人」に数字チップを置いた。正直、よくできたなと終わってから感心したが。だってどっちも俺の推し組長に置いていたらどうするのだ。探ることもできるが、下手すれば相手の組長を上にあげてしまうことになる。初手だから問題なかったといえばそうだが、まあなかなか手練れた手である。

さて、問題の初手の配置だが・・・

一つは「堂谷内(+6)」。

一つは「嶺(-5)」

この時点で俺は堂谷内を相手の組長だと疑う。しかし、正直そこは後々確認すればいいだけなので、スルー。問題は自分の組長(嶺)に置かれた「-5」。これをどう処理するかで今後の展開が決まる。

相手は探っている、ということ

まず、上でも書いたが、自分の組長以外に数字を置くということは、十中八九、相手の組長を探っている。探られているこちらは、まさにブラフのタイミング。

これは初手だ。他になんの情報もない。だから、俺はこのまま「嶺が兄の組長なのではないのか?と疑っている」風を装うことにした。

「あ〜、これあえて自分のやつにマイナス置いて撹乱するつもりやろ!」

そう言ってマイナスチップを取る。

兄は案の定俺のこの発言を疑った。だが、違う意味でだ。

「(蛙はそう言って自分の親分を隠そうとしている・・・)」

そんな表情をしていた。実際、対戦後に話を聞くとそうだった。

だから俺はこうしてやった

「確認してやろうかな・・・」

そう言いながら、俺は自信満々な表情を作って(本当は心臓が張り裂ける思いで)「-6」を「嶺」に置いた。そして、堂谷内に「+5」を置いてやったのだ。

もし「堂谷内」が兄の組長だったなら、刺し合いになる手。こんな序盤で合計値が11になるのは避けたいだろうから(マイナスチップの総数は少ないし)、「堂谷内」に置かれたプラスを取る。「嶺」に「-6」が残れば俺にとって相当なダメージになる。

だから俺は「なんとしてでも兄に嶺のマイナスチップを取らせなければいけない」

と同時に、「嶺は俺の組長ではないと思わせられる」施策を思いついた。

「おい、おまえの嶺にマイナス置かれとるぞ」と笑いをこらえながら発言したのだ。もちろん、意識を嶺に集中させるためでもある。堂谷地は一旦置いておけ、と。ここで兄が考えるべきなのは、嶺が俺の組長かどうかなのだ、と。そう暗に伝えたのだ。

前の「自分のやつにあえてマイナス置いたやろ?」発言から一貫して「嶺は相手の組長だ、と思っている風」を装って。そして、兄はまんまと引っかかったのだ。

無言で「嶺」の「-6」を取った。

そしてその瞬間俺はだめ押しの反応を送った。

「はっはっは!!やっぱりか!わかりやすすぎ!序盤からミスったな!」

そう声高々に罵ったのだ。ここまで言ってよもや「嶺」が俺の組長だとは思うまい。兄も、「勝手に嶺を俺の組長だと信じておけ。」とほくそ笑んだことだろう。

今思い出しても笑いが止まらんぜ。フハハハハハハハ!!!!!

予想通りの展開

それからというもの、兄は「自分の」嶺にプラスをどんどん置くことになる。兄も俺を騙そうと「嶺」に労力を使わざるを得なかったのだ。俺は自動的に自分の組長を上に押し上げることに成功した。

もちろん、安心はできない。兄のブラフに乗っかるために、自分の行動もそこそこ制限される。その中で蛇沼も上げなければいけない。なかなか至難の技である。

安易に自分の蛇沼に数字チップを置けない。兄の組長は何か?と探るつもりで置いてもいいが、ゲームも終盤に差し掛かってきた段階でつく嘘は高確率でバレる。

こういう時は、兄の組長にマイナスチップを置き、バレるのを承知で自分の組長にプラスを置くのだ。相手はマイナスを取り除かざるを得なくなるので、自分の組長を上げることができる。

しかし、マイナスチップがもうない。

苦肉の策として、またもや肝を冷やす手を打つことになる。

自分の組長に+6

終始「嶺」を兄の組長だと信じきって行動し、兄もそれを利用して騙そうとしている。だから、俺はそれを使って蛇沼を上げることにした。

「これは痛いやろなぁ・・・」

とチラチラ相手を見ながら、「嶺」に+6を置いたのだ。その時、「嶺」は2位につけており「+6」が残ればダントツで1位に昇格してしまう。これは恐怖。

そして「もう一人は、一番怪しいやつに置く。あくまでも俺は攻めるよ。・・・これやろ!」

そう言いながら「蛇沼」にプラスチップを置いた。

兄は悔しがる仕草をほんの少し見せながら(これも考えた上での絶妙な演技である)、「嶺」のプラスチップを排除した。俺はまたもや心理戦に勝ったのだ。

クライマックスの中のクライマックス

最後の最後まで兄は俺の「嶺」をブタだと信じ込んでいた。俺が最後に「嶺」に「+7」を置いて警察にしょっぴかせようとしている、と信じきっていた。

もちろん、俺もそう思わせるために余裕綽々の表情でこう発言していた。

「これ嶺に置けば終了でしょ。余裕!!!」

兄は悔しそうな演技をする。

結果、俺は「蛇沼」に、兄は自分の一推し「我們」にプラスチップを置いた。「嶺」が警察行きになるので、「我們」が1位になって勝利。兄はこれを予想していた。

最後の「せーの」で数字が置かれた瞬間の兄の顔は忘れられない。次元が歪んだのかと思うほどに顔のパーツがぐちゃぐちゃになっていた。

完全なる心理戦の勝利。俺は笑いが止まらなかった。

ここに復讐は果たされた。

kawazu
アートワーク担当。 ヤマズゲームスの弟の方。

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