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【ストーリー紹介】蝉の声〜緑蝉の話〜 Vol.3-3 神になった蝉

投稿日:2017年1月2日 更新日:

「そやな~、どっから話せばいいもんか・・・。」

 

トカゲは顎をぽりぽりと掻きながら考えていた。

 

私はその姿を見つめながらじっと待った。

”イノリ”とはなんだろうか。

 

するとトカゲが何かを思い出すように言った。

 

「君はここがどこかは知っとるんか?」

 

緑蝉は小さな声で答えた。

 

「・・・えっと、神社。覚えてる。神社と鏡餅。」

 

「そうか、ほんなら話は早い。まず、神社は神さんが住んどるとこや。ほんで鏡餅は神さんへのお供え物や。とはいっても、神さんは鏡餅しか食わんわけじゃないぞ。他にも米やらお菓子やら。なんでも食う。まあこんだけデカい鏡餅を置いとくっちゅーことは、ここの神さんは鏡餅が大好物なんかもしれんなぁ。まあ、何はともあれ神さんは人間には見えん。俺らも見えん。誰も見えん。ここまでは、いいか?」

 

トカゲは難しそうな顔をしている緑蝉に問いかけた。

 

「えーと・・・カミサン?」

 

緑蝉はたどたどしく答えた。

 

「ははは、カミサンって。”神様”のことや。すまんな。俺は別に神を敬っとらんから、”様”とは言わんのや。ほんでや、人間は目に見えんものを大事にする生き物や。神さんもそうやし、感情や才能や死者もな。」

 

「ふーん。変なの。目に見えないのに・・・。」

 

「君も”記憶”を大切にしとるやろ。それと一緒や。」

 

「・・・そう、ね。」

 

「で、や。その中でも神さんはずば抜けて大事なもんやとされとる。だから、目に見える形にするんや。あの建物の奥に神さんの絵が描かれとるはずやし、なんや銅像とかもあるんかな?ほしたら、その目に見える神さんにご挨拶や。それが、頭を下げとるという行為や。」

 

「なるほど。でも私は神様じゃないよ。」

 

「そこや。この鏡餅は神さんの食い物やってさっき言ったやろ。その鏡餅に一日中くっついとる君は何や?しかも、他の蝉とは違う見た目をしてて、デカい。人間は君をどう思う?」

 

私は、ハッと気がついた。

 

「・・・神、様?」

 

「そうや!神さんが蝉の体を借りて人間の生きとるこの世界に降りてきたと思っとるっちゅーこっちゃ。な?人間っておもろいやろ?」

 

私が神様・・・。

人間が大事にしている神様。

なるほど、どうりで私を襲わないんだ。

 

緑蝉はトカゲの解説に心底納得した。

 

「なんて運がいいの!私!」

 

トカゲは急に大きな声で叫んだ緑蝉に驚いた。

 

「ねえねえ、それじゃあ手を合わせているのはなぜ?”イノリ”ってなに?」

 

完全に警戒心を解いた緑蝉は、トカゲの目の前まで降りてきて問いかけた。

 

目がキラキラしている。

合点がいく喜びもまた生き物に共通の感情か。

トカゲは大きく広角を上げ言った。

 

「よっしゃ!ほんなら話は長なるぞ!いいか?」

kawazu
アートワーク担当。 ヤマズゲームスの弟の方。

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