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【ストーリー紹介】蝉の声〜赤蝉の話〜 Vol.2-1 赤蝉とトンビ

投稿日:2016年11月27日 更新日:

ほら見て!私の羽、ピンク色で綺麗でしょ!
体には赤いちょぼちょぼがついてるの。
これはちょっとだけ気持ちわるい。
でも、体はあそこの可愛いチョココルネにそっくり!
いいでしょ!!

赤蝉は今日も友達のトンビに、自分の一風変わった体を自慢していた。

「キミはいつも同じコトを言うね。」

トンビがそう言うと、赤蝉は「あら、そうだったかしら?」と冗談めかしてはぐらかした。

「そういえば、キミがなぜ他の蝉と違う見た目をしているのかを聞いたことがなかったね。」

赤蝉は少し困ったように答えた。

「なぜって・・・私生まれた時からこの体だから理由なんてわからないわ。」

それを聞いて、トンビは笑いながら言った。

「生まれつきなのかい!チョココルネそっくりな体に、生ハム色の美味しそうな羽!人間の子供が見たら間違って食べちゃいそうだ!」

赤蝉はムッとした表情でトンビをにらんだ。
トンビは慌てて訂正した。

「いやいや、そんな風に思うやつもいるかもって話!そういえばキミのお母さんもそんな体をしていたのかい?」

・・・どうだろう。
赤蝉は思案した。
といっても、蝉は自分の親を見ることはない。
だからお母さんがどんな見た目をしていたのかはさっぱりわからなかった。
返答に困っているとトンビがハッと気がついて声をあげた。

「ねえ、森のオオトカゲなら知っているんじゃないか?ねえねえ、聞きに行こうよ!キミのお母さんのこと!」

「・・・うん。」

なんだろうこの気持ち・・・。
赤蝉はなんだか人間にじっと見つめられた時の気持ちに似ていると思った。

そういえば私みたいな体の蝉は見たことがないな・・・。

別に病気にかかっているわけではない。
成虫になってから数日間、なんの問題もなく生きてきた。
他のオス蝉に会ったって変な顔されることもなかったし。

それに昔がどうだったとか考えたこともなかった。
ただただ、いつもいるサクラの木からパン屋さんの小窓に映る自分の姿を見てかわいいなって思ってた。
私だけが違うってのはおかしなことなの?

赤蝉はこれまで感じたことのない感情をどう受け止めればいいのかわからなかった。
心がムズムズする。
周りとは少し違うと思っていた自分の体。
その本当の理由がわかるかもしれない。

でもそれが少し・・・怖い。

トンビはそんな蝉の気持ちに一切気付くことなく、自分の発想に一人高揚していた。
バサバサと大きな羽を準備運動がてら広げては閉じている。

「さあ行くよ!」

トンビがそう言うと、赤蝉はトンビの背中にしぶしぶしがみついた。
そして二匹はオオトカゲの住む森へと向かった。

kawazu
アートワーク担当。 ヤマズゲームスの弟の方。

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