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【ストーリー紹介】蝉の声〜赤蝉の話〜 Vol.2-3 オオトカゲ

投稿日:2016年11月29日 更新日:

オオトカゲはゆっくりと後ろ向きに洞窟の入り口に向かって進んできた。

トンビと赤蝉は潰されないように急いで入り口の方へ戻るとオオトカゲが出てくるのを待った。

 

やっとの思いで外に出たオオトカゲは予想をはるかに超える大きさだった。

いつも大きいなと眺めていた人間を50人くらい一気に食べられそうな大きさだ。

ほら!と赤蝉に背中を叩かれたトンビはそーっとオオトカゲに話しかけた。

 

「オ、オオトカゲさん。おはよう・・・。」

 

オオトカゲは未だトンビと赤蝉を確認できずグルグルとその場を回っている。

 

「こっちですよ!こっち!」

 

そう言ってトンビはオオトカゲの視界に入るように目の前まで飛んでいった。

 

「おおおお!トンビか!なんや久しぶりやな!どうした!」

 

トンビはオオトカゲの機嫌が悪くないことを知ると一転して饒舌になった。

 

「いやいや、トカさん!ちょっと聞きたいことがあるんですよ!赤蝉のことなんですけどね!」

 

そう言うと、トンビは赤蝉のところに着地してさらに言葉を続けた。

 

「さっきこの赤蝉と話していたんですけどね。そういえばなんでこの子だけ見た目が他と違うのか?って思って聞いたら、わからないっていうんでここに来たんです。それでとりあえず、この子のお母さんはどんな見た目をしていたのかをトカさんに聞こうかなって思いまして。」

 

オオトカゲはニンマリと笑顔を作りながら赤蝉を眺めていた。

じっと目を見られることが苦手な赤蝉は、時々オオトカゲを見ては目が合うと逸らしていた。

オオトカゲが赤蝉に優しい声で話しかけた。

 

「・・・大きくなったな。今日で何日目や?」

 

赤蝉は驚いてオオトカゲを見た。そして答えた。

 

「え・・・三日目です。わ、私を知っているの?」

 

オオトカゲは大きく頷いた。

 

「お前さんも、お前さんの母親も、お前さんのばあさんも、お前さんのひいばあさんも知っとる。」

 

そしてオオトカゲはもう一言付け加えた。

 

「もちろん、お前さんがなぜそのような見た目をしているのかも知っとる。俺がひいばあさんに教えてやったと言っても過言ではないからな。」

 

赤蝉は小さな口をポカンと開けている。

トンビは嬉しそうに手を叩いていた。

赤蝉は気を取り直して聞いた。

 

「えっと、その・・・何か悪いものを食べたとかじゃないよね?」

 

それを聞いてオオトカゲは笑った。

 

「そんなものがあるなら俺も食ってみたい!違う違う、もっと単純や。」

 

オオトカゲははっきりとこう言った。

 

「想い、や。」

 

トンビと赤蝉は同時に首を傾げた。

赤蝉はオオトカゲに話を進めてと促した。

kawazu
アートワーク担当。 ヤマズゲームスの弟の方。

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